2016年06月アーカイブ

五輪教会先週、長崎の五島列島に行ってきた。

何をしに行ったかというと、ひたすら教会を巡るのだ。世界遺産候補になったことでも知られる五島列島の教会群は、禁教の解けた明治以降に次々と建設され、今でも多くは「現役」の教会として使用されている。

そのため、一部の教会を除いては堂内の撮影はできない。まさに空間体験の旅でもある。

五島列島は南に福江島という大きな島があり、ここには飛行機も到着する。北の中通島もそれなりに大きく宿泊施設もあるのだが、もっとも見たい教会はその中間の島々にあり、まずはプランニングからして結構苦戦した。

金曜の朝に福岡経由で、プロペラ機に乗り替えて、福江島に着く。ここからクルマを借りて、まず福江島の教会を巡って島内で一泊。

翌日は午前中に海辺を歩いたりして、午後から北へ向けて教会クルーズのツアーに乗る。久賀島の旧五輪教会堂と奈留島の江上天主堂を巡り、北の中通島へ向かいここで一泊。翌日の午前に幾つかの教会を見て、午後長崎市にわたりその日のうちに帰京した。 >> ジワジワと感動を反芻する、五島教会群への旅。の続きを読む



サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団 日本公演

指揮:ユーリ・テミルカーノフ

2016年6月3日 19:00 サントリーホール 大ホール

ショスタコーヴィチ: 交響曲第7番「レニングラード」ハ長調 Op. 60

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クラシックのコンサートは妻と行く時と、1人で行く時がある。そして、1人で行く時は開演前の男性トイレの列が長い。そういえば、バレンボイムのブルックナーの時もそうだった。あれは、バレンタインデーだったなぁ。

ショスタコーヴィチの7番のみ、というプログラム。このあたりも、やはり「男の世界」なのか。冒頭からフィナーレまで、緊張感の続くいい演奏会だった。

そして、ショスタコーヴィチほど「言葉の罠」に捉われやすい作曲家はいないんだな、ということも改めて思った。

テミルカーノフと、サンクトペテルスブルグの音は澄んでいる。冒頭からクッキリと引き締まった音がするが、決して鋭利ではない。もちろん、温くもない。ありのままの、音がする。 >> 澄んだ轟音と沈黙。テミルカーノフのショスタコーヴィチ。の続きを読む



(2016年6月2日)

カテゴリ:広告など

IMG_1684昨日、花屋に立ち寄った。アジサイもきれいだったが、一足早くヒマワリだ。夏を先取りするのはいいが、わざわざ梅雨を急ぐこともないし。

で、昼間にテレビを見ていて、シーブリーズのCMで、「ああ、福士蒼太?でも花王に出てなかったっけ?」と思って調べようとして、気づいた。そうだ、中川大志じゃないか。

昨年も同じようなことをしていた気がする。

「福士蒼太 中川大志」で検索すると、山ほど比較写真が出てくるけど、顔つきだけじゃなくて、CMタレントとしてのポジションが似てるんだろうな。

タレントの選定って、結構シンプルで、福士蒼太の場合はもちろん「爽やか」「フレッシュ」がキーワードだろう。花王のリセッシュ、アサヒの三ツ矢サイダーなど、実にわかりやすい。Fit’sに出ていたこともある。

中川は今年の「AOKI」のフレッシャーズキャンペーンに出ている。そう、おじいさん・おばあさんまで出てくるんだけど、ああいうのがリアルなんだろうなと思った記憶がある。で、調べてみたら福士は少し前に「はるやま」のフレッシャーズキャンペーンだったようだ。やっぱ、フレッシュがカギなんだ。 >> 夏CM界の守護神、福士蒼太系。の続きを読む



4120R3EDRHLネット上でこんな見出しのニュースがあった。

子供が親を「呼び捨て」「ちゃん付け」 そんな親子は「気持ち悪い」か

5月23日のフジテレビ系「バイキング」で「子どもが親を名前やちゃん付け」で呼ぶことを許せるかどうか?というテーマだったそうな。

番組の視聴者アンケートでは3割ほどが「許せる」ということだが、教育評論家などは「好ましくない」という話だ。まあ、「どんどんやれ」というコメントにはならないだろう。

ただ、十代の若者が家族に対していだく感覚は結構前から変化している。「おばあちゃん、かわいい」みたいな言い方に戸惑ったという話も、15年以上前だったと思う。いま調べたら「かわいいおばあちゃんになりたい」みたいな記事が出てきた。

で、「家族をお互いにどう呼ぶか」というのは、言語学や日本語論の分野でも結構面白い。この議論を提示したのは、慶応義塾大学の言語学者の鈴木孝夫氏だが、「ことばと文化」はいま読んでも本当に奥が深い。

言語学の概略から文化論まで、まさに縦横無尽に語ってくれる。

1973年の出版で、海外事情の紹介などは、いま読むとやや時代を感じるが、論旨の骨格は太い。amazonの言語学カテゴリーでは1位である。 >> 「家族をどう呼ぶか」は日本語ならではの問題だった。の続きを読む