第47回 白酒ひとり

2015年 12月9日 国立演芸場

「金明竹」 桃月庵はまぐり

「親子酒」「火焔太鼓」(中入り)「富久」 桃月庵白酒

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「白酒ひとり」という独演会に通うようになって、5年あまり経つ。説教臭くなく、理屈抜きに楽しめてレパートリーも広い。東京の落語家の中では最もよく聞いていると思う。

この会は、ちょっと珍しい話のネタおろしも多いのだが、今夜は名作を三席。

「親子酒」は、終盤の親子の酔いっぷりが相当派手。白酒は心持ち赤ら顔なので、本当に酔っているように見える。

「火焔太鼓」は幾度となく聞いたが、テンポがよく、独特のくすぐりもある。

道具屋と、侍のやり取りで

「いくらなら、手放す?」

「イクラ、なめろう、手羽先?」とか、その後「売ると申すか?」尋ねられ

「売る~売る~るぅ~るぅ~るぅ~」

「キタキツネを呼ぶな!」 >> 理屈抜きの笑い、桃月庵白酒。~第47回「白酒ひとり」の続きを読む



読売日本交響楽団 第553回 定期演奏会

指揮=オスモ・ヴァンスカ
2015年12月4日 サントリーホール
シベリウス:交響曲 第5番 変ホ長調 作品82
シベリウス:交響曲 第6番 ニ短調 作品104
シベリウス:交響曲 第7番 ハ長調 作品105

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この夜演奏された曲が作られた100年ほど前に、日本の東京で、地元のオケがこんなに素晴らしい演奏をするなんて誰も想像していなかったと思う。

ヴァンスカが曲を隅々まで知り尽くし、一音一音をとても大切にしていることがヒシヒシと伝わってきたが、オーケストラの能力、ことに集中力が高いからそれが実感できた。

日本のオケも、「どうだ!」と迫る大曲、たとえばマーラーの「復活」などだと、どのオケもそれなりの盛り上がりにに導いてくれるのだけど、この日のようなプログラムで、しみじみと導いてくれることは稀だ。

そういう意味で、この日の読響は在京オーケストラの演奏会の水準の中でも、一頭地を抜いている感じだった。

この日に聴いてあらためて思ったのだけど、シベリウスの曲は演奏会で体験することで「ああ、そう書いているのか」と伝わってくることも多い。シベリウスはオーケストラの鳴り方が、決して派手ではなく、個別のメロディやリズムよりも、全体の「響き」で聴かせるところがあるからだろう。 >> クッキリと、そして幽玄。ヴァンスカ=読響のシベリウス。の続きを読む



というわけで、amazonのfireTVから派生して、ベルリン・フィルのデジタルコンサートホールにはまりかけて、とりあえず7日間メンバーになった翌日、いきなり不具合が起きた。

アプリケーションが立ち上がらないのだ。

メッセージは「原因不明のエラーです」とか、エラーコードとともに日本語ででるだけ。

そして、ウェブサイトに行くと問い合わせも、ヘルプもある。よし!と思ったらヘルプは英語とドイツ語。しかも、エラーコードなどで検索してもわからず。
「お問い合わせ」という日本語をクリックすると、ポップアップで出てきたのは” How can we help you?”という英語。つまり、ここから先は英語で問い合わせるしかない。ちょうど15時過ぎで向こうでは7時くらいだった。
「アプリ動かんのだけど、助けて」というような内容で、エラーコードの番号と一緒にメールして、あまり期待せずにいたら結構すぐに返信が来た。どうやらベルリンのスタッフが、出社してすぐチェックしてくれたんだろうか。現地時間で10時くらい。開けてみると、Baderさんという人からのメールだ。

遠くからの返信なので、妙にうれしい。そして、文面がテキパキしている。

「報告してくれた件、大変申し訳ない」という感じで始まるのは、まあ普通だが

“Our IT department is working with high priority on this, we will try to find a solution as soon as possible.”
「うちのITチームが最優先でやってて、できるだけ早く解決策探すよう頑張るぜ!」
って感じなのかな。 >> ベルリン・フィルはデジタルもすごい、とアプリがダウンしてつくづく思った。の続きを読む



bpoそんなにテレビを見るわけでもなく、動画配信にも興味がなかったのだが、ついついAmazon fireTVを発売日に予約してしまった。書籍を中心に相当なヘビーユーザーで、これからもプライム会員を続ける可能性が高いので、なんかよさそうな気がしたのだ。

stickにしようかとも思ったんだが、そのうちスピーカー替えるかも、とか思ったりして、こちらを選んだ。

接続も簡単で、使い勝手もいい。音声認識がスムーズなので、思いついた映画タイトルを口にすると、ポンと画面に表れて数回ボタンを押すとスタートするのは、相当うれしい。

とはいえ、僕はそんな映画好きではない。最近は年に一度くらいしか映画館にいかない。ただ、以前はよく見ていて、入社した頃はクリエイティブの勉強しなくてはと、週に一度は映画館に行って、片っ端からビデオを見てた頃もあった。

その頃の映画が、プライム・ビデオには結構あって、これがトントンと出てくるのは気持ちい。考えてみると、このamazonのサービスは、僕くらいの歳の「映画のライトユーザー」にぴったりなのかもしれない。

一方で、予想外にはまってしまったがベルリン・フィルハーモニーのデジタル配信サービス。「ベルリン・フィルデジタルコンサートホール」だ。2009年にはサービスがスタートされていて、日本語サイトも早々にできたというけれど、何となく遠ざけていた。デスクトップPCは仕事部屋だし、わざわざノートにスピーカーつけて音楽聞こうと思わなかったのだ。 >> amazon fireTVから、ベルリン・フィルのデジタルに走ってしまった。の続きを読む



(2015年10月12日)

カテゴリ:見聞きした

能が気になっている。nou

きっかけは今年の8月15日に寒川神社で行われた薪能を友人夫妻に誘われて観たことだった。こうしたイベントでは経験があったのだが、能楽堂に足を運んだことはなかった。クラシック音楽や落語、たまには歌舞伎や芝居、宝塚歌劇など、ならせば月に週に一度くらいはそうしたライブに出かけている。

ただ、能や狂言は圏外だった。行くのは古典系が多いのだが、それでも能はなかなか険しいものがある。さっきから、何度も「脳波」と変換されて、やっと「能は」と覚えてくれた。そんなものだろう。もっとも、脳波にも関心はないが変換ソフトにおいても能は縁遠いものらしい。

ところが、ここに来て妙に気になる。9月の国立能楽堂の公演や、先日の観世流の定例会にふらりと出かけてみると、これが結構おもしろい。いや、おもしろいという言葉より、「興味深い」というか、つまり英語のintrestingのような感じか。

まだ、遠巻きにしながら「この世界に入ってみていいんだろうか?」という感覚なのである。ちなみに、狂言はなんの障壁もなく楽しい。これは、想像以上だった。

能の観客は、想像通りに高い。国立の公演はチケット代も求めやすく若い人も目につくが、それでも相当に高齢者が多い。ファンが高齢化しているのはたしかだろうが、そもそも能は、一定の歳にならないときついかもしれないとも思う。

まず、全体的にゆったりと進むのだが、このテンポ感は若いうちには単に苛立ちにしかならないだろう。それが、それなりに心地よくなるのは加齢のせいかもしれない。

謡や楽器にしても、いろいろと聴いて来てはじめて「なんだこれは」という驚きがある。80分から90分くらいかかる演目が多いけれど、これは楽曲としては相当な「大曲」だ。それが、譜面もなく奏されていくことは、知識としてはわかっていても、やはり驚く。そして、謡の声が抵抗なく沁みてくる。 >> 能を観に行く。の続きを読む