年寄りのマナーが悪い理由を考えてみたら。
(2016年2月10日)

カテゴリ:キャリアのことも

この時期に舞台を観に行くと、カシャカシャという耳障りな音が聞こえることが多い。のど飴などの舐めようとすることが多いようだけど、これが結構気になる。僕が行くのはクラシックや落語、あるいは能などが多く、つまり静寂が大切なので、どうしても耳障りだ。

咳を気にするのかもしれないが、まだそっちの方がいいようにさえ思う。

ことに能の会が結構ひどいことがあって、カシャカシャ音どころか、ずっとバッグの中をひっくり返してたり、喋る人もいる。

何でかな?と思ったのだけど、そういう人はおしなべて高齢者だ。既にリタイアしているような年齢の人で、若い人でマナーが悪いと思ったことはない。段々わかってきたのだけれど、こうした観劇などの経験がない人が、歳をとってから来るようになったのだろう。

若い人だとそういう時のマナーを気にしたりするけれど、年配の人は無頓着になる。

改めてマナーを知ろうなんて思わないのではないだろうか。

単純に言うと、高齢者比率が高いほど変な人が出てきてしまう。新たな場所に行っても、そこのルールを学ぼうとしない。そう考えていてハッとした。

こういう人って、ビジネスの世界でもいるよな。どこに行っても「オレの流儀」「私のやり方」で通してしまう。既に環境が変わっていることに気づかない。成功体験から抜け出さないので、同じようなやり方を続けているけど、周囲からは敬遠されている。
これって、中高年だけではなく40代、あるいは30代の人でも陥る話ではないだろうか。

でも、誰も諌めてくれない。そういえば、マナーの悪い客に対してもわざわざ注意する人は少ない。眉をひそめているだけだ。

たまたま、観劇のことを書いていたけど、場を変えれば自分もそういう立場になっているかもしれない。

1つ言えるのは、歳を重ねると感度が低下するということだ。例のカシャカシャ音だって本人は気にしていない可能性がある。そういえば三鷹市のホールでは、開演前にちょっと気の利いたアナウンスがあるのだ。携帯電話の電源や撮影禁止などのお願いに続いてこんな感じで話す。

「コンビニの袋などを触ってしまうとカサカサ、カサカサという音がして意外と響くものです」と、柔らかい語り口で話してくれる。

段々と惰性で仕事するような人に対しては、ある時にいきなるダメ出しするのではなく、「さりげなく気づかせる」。そのくらいは会社でもできそうなことなんだんろうけど、10年目くらいで始めたほうがいいように思う。