「本物のチーム」が勝った夏。
(2016年8月22日)

カテゴリ:メディアとか

いろいろな名場面のあったリオデジャネイロ・オリンピックだけど、日本選手について僕が印象的だったのは、「もうフィクション作家とか大変だよなぁ」ということだった。

それは、特にチームスポーツで感じたんだけど、もう現実の選手同士のエピソードや、醸し出す雰囲気が創作者の想像範囲を超えちゃったという感じだ。

日本では、スポーツにおけるスーパースターは、フィクションことにコミックから生まれて来た。というか、まだまだ世界レベルから遠い日本のスポーツは、コミックの中で成長してきたわけだ。

そして「大リーグボール」の時代から、日本人選手が本物の大リーガーになって、超一流の仲間入りをしていった辺りから、フィクションの出番は段々と減ってきたと思う。

今大会だと、まず荻野と瀬戸の「子どもの頃からのライバルと友情」というお話があった。

体操は、内村を中心としたチームが優勝して、最後はそのリーダーが個人でも金メダルと獲った。

卓球は男女ともメダルを獲ったが、並んだ時の個性がまるで図ったみたいだし、そして、4×100mリレーは、「できすぎ」というくらいのお話だった。

1人も9秒台もファイナリストもいない中での、チームプレーというのもそうだけど、またキャラクターが光ってる。でも、ドラマの脚本家が「ケンブリッジ飛鳥」なんてキャラクターを考えたら、脚本家が突っ込まれたと思うんだよね。

「いや、ちょっと荒唐無稽でしょ」とか。
でも、現実はもう軽々と先に行ってしまった。

特に男子のチームは、仲がよさそうにも見えるし、そういう報道も多い。というか、実際にはどうでもいい。有無を言わせない実績を上げたチームは、「リアル」が輝いてるからだ。

で、今度のオリンピックが終わって、この辺りのメディアへの影響は結構大きいと思ってる。というのも、開催期間中に発表されたSMAPの解散話とピッタリと裏表の関係になるからだ。

SMAPの件は、「虚構」と「現実」を事務所はコントロールできなくなり、ダムが決壊したようなものだと思ってる。一歩引いてあの現実をみれば40になろうとする男たちのドロドロしたお話でしかない。

その一方で、リアルの世界があれだけ光っていれば、ちょっと見ていても痛々しいだけだし。

「虚構/現実」を上手に出し入れしてメディアをコントロールする手口はもう限界なのだろう。AKBなどは、既にそこをわかってるし、いわゆる「芸人」にも「虚構/現実」の構造はない。

今年の夏は「本物のチームが勝った夏」(あるいは虚構のチームが消えた夏)というわけで、これからのメディアビジネスの転機になるかもしれないと思う。コンテンツはもちろん、広告のつくりにも影響するだろう。「象徴的な事件」って、短い間にギュッと起きるんだよね。