2017年04月アーカイブ

ちょっと前のひな祭りの頃だったと思うけれど、人の並びの「左右」についてネットに記事があった。この時期になるとよくあるんだけど「左大臣は右大臣より偉い」けど、それは「朝廷から見て左」が上位で、並んだ姿は右側になる。

天子は北極星を背に南面する、ということでこれは武道館の日の丸も同じ。そして、東は西より尊いので、東にあたる「左」が上位になる。

ところが、日本語には「左遷」ということばあって、これは良い話ではない。また、「右にであるものはいない」という表現もあって、どこか右上位でもある。

この辺りのことをネットで調べてみると、出てくるのはいわゆるQ&Aサイトばかりだ。個人のブログなどもあるが、書いてあることの出典はわからない。

いろんなことが書いてあるけれど、どう見ても適当な話もある。

うすぼんやりとわかったのは、どうやら中国では古代から「右上位」と「左上位」の時代があったんじゃないかということだ。儀礼として日本に入ってきた時には、左上位だったのだけれど、言葉の由来はその時々の状況を反映しているらしい。 >> なぜ左大臣は偉くて、左遷は良くないのか?『クラウド時代の思考術』【書評】の続きを読む



著者の本田哲也さんよりご恵送いただいたのだが、この『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』は、PRというよりはマーケティング戦略の本だと感じた。しかも、日本のように成熟した市場ではとても大切なキーワードが並んでいると思う。

まず、冒頭で現在の競争局面を「買う理由」の代理戦争であるという。この考え方は、マーケティングの世界では大きな流れになっているが、僕がそうしたことを講義で話してブログで書いたのは、いま調べたら7年前だった。

それは、とても単純な理由だと思う。

「製品ライフサイクル」という言葉がある。導入期・成長期を経て、成熟期を迎えてやがて衰退期に入るという有名なセオリーだ。

ただし、最近はあまり聞かない。ある種当たり前になっていることもあるが、本質的な問題は別のところにある。

ほとんどの製品やサービスが「成熟期」に入っているのだ。これは、コトラーの「マーケティング・マネジメント」にも書いてある。相当前からこの記述はあるはずなので、ライフサイクルの波よりも、成熟期に何をするかが問われるようになって久しいのである。 >> 「大人のマーケティング」のための1冊『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』の続きを読む



食べ物についての本ってあ、レシピやらダイエットやら店ガイドなどの実用的なものを除くと、意外に面白いものが少ない。

食についての関心は高まっているとはいえ、「おいしいくて安い店をいかに探すか?」とか「どうしたら効率的に痩せられるか?」といったところで止まっているのかな、と思うことがある。

最近読んだ『カリスマフード 肉・乳・コメと日本人』(畑中三応子・春秋社)は、何となくみんなが気にしている3つの食材について文化的な側面から歴史を追って掘り下げた本だけど、なかなか面白かった。

この3つの食材は、いろいろな意味で話題になりやすい。肉と牛乳は明治以降に広く食されるようになったが、米は古代からの主食だ。そして、健康をめぐる俗説も多い。

肉や牛乳も実は結構前から飲食の歴史はあるようだが、その辺りについてもいろいろと書かれていて興味深いし、特定の食べ物がバッシングされる経緯を見ると、日本人は食に対して関心が深い一方で、ちょっとヒステリックはないかと感じることもある。

で、この本でおもしろいのは、どの食材にも福沢諭吉が顔を出すことだ。

まず、肉と牛乳だけれども、福沢は奨励者だった。以前、江戸東京博物館での展示でも見たことがあったけれど、彼は食についても欧化を良しとしていたのだ。

そして、あの妙に拡張の高い文章でかつユーモラスに食を論じる。

『肉食之説』という、いわゆるPR文では「肉食を穢れている」とする人に対して、こんな風にユーモラスに説いている。

「(とはいっても)世の中には不潔な食べ物が多い。蒲鉾は溺死人を食った鮫の肉でつくるし、春の青菜は香り高いが一昨日かけた小便が葉に深くしみ込んでいる。周期があるといえば、カツオの塩辛もくさやの干物も」といった塩梅なので、たしかにスッと説得されるかもしれない。 >> 『カリスマフード』を読んで感じた、福沢諭吉と「食」の縁。の続きを読む



ネットの広告、中でもウェブサイトに配信される広告は「けなげだなあ」と思うことがある。

つい先日、読売オンラインで日産スカイラインについての記事があった。

『「スカイライン」60周年、歴代13モデル展示』

そんな見出しで、写真がある。いま乗っているクルマだから、関心があったのだ。(と思ったら昨日で終わっていたよ、ガッカリ)

で、その写真の下にこんな広告があった。

『最先端技術と先進のデザインで、時代の先を走り続けるトヨタのセダン』

いや、もう図ったようにというか、図り損なったのか。翌日に見たら、また出てきた。つまり、”TOYOTA SEDAN COLLECTION”というウェブサイトがあって、そこへの誘導を図っているのだ。

もう、「けなげ」というか意地らしいというか。どれだけの効果があったのか知りたいところだ。僕はとりあえずクリックしたけど、プリウスもセダンとされていたのは何となく驚いた。

で、最近のネット広告で気になるのはタワーレコードだ。さすがに少なくなったけれど、CDを買うことがある。ほとんどがクラシックなのだけれど、タワーレコード限定の面白い企画もあり、spotifyなどでは聴けないものはついつい買ってしまうのだ。

実際に買わなくても、よくサイトは訪れている。すると、間もなく広告が出てくる。

かつては、既に注文した商品ばかりが出てきて「惜しいなあ」と思っていたが、最近は少し気が利くようになってきた。

ところが、時折妙なことがある。 >> ネット広告の配信って、どこか「けなげ」だよなぁ。の続きを読む



テレビドラマは殆ど見ないんだけど、どんな番組が見られているかは一応気にする。

で、「逃げ恥」などのヒットはあっても、基本的に若年層向けは元気がなく、高齢者が見てくれないことには世帯視聴率は上がらないこともわかってはいる。

というわけで、「相棒」のような刑事ものや、「ドクターX」のような医者ものが安定的で、その辺りにテレビ朝日が強いのも知識としては知っているが、前者は旅先で1.2度見たくらいで、後者は未見だ。

でも、さすがにこのクールの刑事ものの多さは凄いんだなと思う。

4/22時点での平均視聴率ランキングというまとめページがあるんだけど、1,2,3,4,7位が刑事ものだ。そして、やたらと警視庁が舞台になっている。しかも捜査一課。

捜査一課といえば、「泣く子も黙る」的なポストだ。しかも、400人近い大所帯を束ねるというんだから、「日本最強の課長」と言ってもいいんじゃないか。

では、今のテレビではどんな捜査一課長がいるんだろうか?というわけで、捜査一課に関係しそうなドラマだけで調べてみた。

「緊急取調室」(テレビ朝日)      三上市朗

「警視庁捜査一課長」(テレビ朝日)内藤剛志

「小さな巨人」(TBS)香川照之 (前課長)春風亭昇太

「警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日)不明

何がすごいって、テレビ朝日だけで3つもあるわけで、いまは「相棒」がお休みだけど、これが「9係」と入れ替わるのか。これだけお世話になっていたら、もう朝日は捜査一課にはアタマ上がらんのじゃないのか?と心配になるくらいだよ。 >> 「捜査一課」だらけになっちゃったテレビドラマ。の続きを読む