もう「流行」しない「流行語」という発想。
(2010年12月2日)

カテゴリ:マーケティング
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師走だ。
当然のように「毎年恒例」のなんだかんだが発表される。そして、とりあえずの「新語・流行語大賞」とか見ると、「これはもう止めた方がいいんじゃないか」という感じだ。だれが選んでいるのか、少なくても審査委員長が80歳近くで、しかも「読者審査員」というのも「現代用語の基礎知識」の読者というのだから、あまり文句をいうのも可哀そうかもしれない。
でも、最近の「新語・流行語大賞」のダメな感じというのは、審査の問題というより構造的な気もする。
そもそも、一覧を見ればわかるけれど本当に「流行語」と言えるものはほとんどない。
流行語というのは、フツーの人が喜んで使ってみる言葉のことだ。そういう意味では「なう」や「ととのいました」くらいは、まああるだろう。
あとは”ヒット商品”や”マスコミの多用語”が流行語に認定されているだけだ
「AKB48」や「食べるラー油」というのは単なる”ヒット商品”でしょ。「脱小沢」とか「無縁社会」なんて、メディアの中でしか使わない。
ちなみに、僕が考える「流行語」の条件というのは「ガキが喜ぶ」か「オヤジギャグ」になる、ということである。


そう考えると、「そんなの関係ねぇ」(2007)は、典型的に前者。「事業仕分け」(2009)は後者だろう。
「そんなんじゃ、うちの課も仕分けされちまうぞ~ガハハハハ」と言っていたどこかのオヤジは、きっと今頃は本当にハンパなく仕分けされてしまったに違いない。
ちなみに過去の受賞を見たけど、一人で山ほど流行語を生みだしたのは2001年の時。いや、改めて驚く。
まあ、スタートから四半世紀経って、この企画も厳しい気がする。「新語・流行語」というマスメディア発想自体が、時代からはぐれているのだから。「なう」で慌てて高校生を表彰しているあたりが、痛々しい。
しかし、驚いたのは対象の「ゲゲゲの~」って、どこが流行語なんだ・
たしかにドラマはヒットしたし、その理由もわかるけど流行語じゃないだろ。それとも、実は流行していたのを僕が知らなかったのだろうか。でも、いったいどう使うのか。
広告業界では「今日はゲゲゲのプレゼンでしたね」とか。
金融界では「いや~こうもゲゲゲな相場が続くとは~」とか。
外科医が「う~ん、こりゃゲゲゲなオペだよ…」だったり。
本当に流行したのか。誰か教えてくれ。