チャイコフスキーとヤンソンスのスイッチ。
(2013年11月19日)

カテゴリ:見聞きした
タグ: , ,

221-rco.png
2013年11月18日 東京文化会館
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会
ワーヘナール : 序曲「じゃじゃ馬ならし」 op.25
ストラヴィンスキー : バレエ「火の鳥」組曲 (1919年版)
チャイコフスキー : 交響曲第5番 ホ短調 op.64
〈アンコール〉
チャイコフスキー: バレエ「眠りの森の美女」から パノラマ
指揮:マリス・ヤンソンス
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
=======================================================
演奏前に報道のカメラが二階正面にカメラを向けていた。最前列が空いていたのだが、やはり、というか皇太子ご夫妻が入られる。さすが、オランダ王立オケ。
で、お迎えしての一曲目が「じゃじゃ馬ならし」…というのは、もう何といえばいいんだろうか。まあ、R.シュトラウスを連想させる軽やかな曲でさらりと。
続いての「火の鳥」は、凝縮された音楽と卓越した管楽器を楽しむことができた。東京文化の、幾分乾いた響きが木管の巧みさをいっそう印象付けている。
そして、休憩を挟んでのチャイコフスキーに。
5番のシンフォニーは、アマチュア・オーケストラが演奏して「成功確度の高いシンフォニー」のトップクラスだと思う。(ただしファーストホルンが吹ければ)つまり、少々青臭いところがあって、フィナーレのコーダは、普通に演奏できれば普通以上に受ける。
逆に言うと、プロフェッショナルが取り上げるには意外と難しい面がある。熱くなれば、「そこまでやらなくても」という感じになるし、サラリとやると不満が残る。
ヤンソンスは毎年のように聴いているが、やはりロシア系の作曲だと「スイッチが入る」ことがあるので、今回はこのプログラムを選んだ。


聴かせ方としては、徹底して歌う。そして、美しく聴かせる。この時点で「そうそう、聴けないだろう」という気分にさせる。2楽章のホルンは圧巻。
フィナーレは、熱くはなるけれど混濁するような畳みかけはない。それでも、コーダからは
はスイッチが入って、いっそう伸びやかな音楽になったと思う。ただ、ブレーカーが落ちるようなことはない。それがヤンソンスだ。
そういえばゲルギエフがウィーンと来たときは、この曲をサントリーホールで聴いた。僕は2階の後ろだったが、LAあたりにいた友人は翌日耳が変になって、医者に行ったら「急性難聴」と言われたという。
別にそういう音を期待するわけではない。ただ、今度このコンビの演奏を聴く機会があれば、サントリーホールでショタコーヴィチの10番あたりでも聴いてみたいと思うのだった。
この日は、サントリーでラトル=ベルリンフィルが演奏していて、そちらには天皇ご夫妻が臨席したらしい。ポール・マッカトニーも東京ドームだったし、何だか凄いことになっていたようだ。
地震とか起きないでよかったよな。