新入社員は、とりあえず新聞読んでみればいいんじゃない。
(2014年4月3日)

カテゴリ:キャリアのことも

ライフネット生命COOの岩瀬氏大輔氏がブログで「毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読んでなさい」と書いたら、結構話題になったらしい。

ある意味で、ものすごくクラシックな響きがするし、ネット上では否定的な意見も多いようだ。

まあ、この3点セットが一緒になるととても古臭いように聞こえるかもしれないが、要は「社会人としてキッチリ行動しろ」ということと、「バランスよく情報感度をみがけ」と言ってるわけだ。

前者については、何分前に来るか?とかはそれぞれ考えればいい話なので書かないけど、後者についていうと、新社会人はとりあえず新聞読んでおいた方がいいと思うようになった。

実は2002年頃から会社で新人研修やってた時は、「別に高いカネ出して新聞読まなくてもいいんじゃないか」くらいに思ってた。ちょうどネットのニュースがひろまり始めてたし、新聞のバイアスがかえって気になってたからだ。

では、最近になって新聞を見直したか?というと実はここ最近新聞メディアは結構よくなったように思うからだ。

まず、電子版が使いやすくなった。僕は基本的に紙はやめているけれど、その使い勝手は相当よくなってきた。特に保存機能はかなり有用だし、オリジナルの記事もある。

また、ネットによって新聞記事へのチェック機能も働くようになってきた。新聞が愚かな企画などをすれば、すぐに批判される。

その一方で、ネットメディアの技術発達は「その個人に最適な情報」をカスタマイズする方向で進化した。SNSなども同じで「関心のあること」はどんどん詳しくなれるが、バランスは悪くなる。

ただ、新聞のネット版も妙にアクセスを稼ごうという傾向を感じる。読売オンラインに目立つんだけど「サンクス全店ローソンにくら替えする県」みたいに、見出しがなぞなぞみたいになっていることが多い。これはたしかにクリックしたくなるので、アクセスを稼ぐにはいいかもしれないが、「読みたい記事を取捨する」という見出しの機能を放棄していると思う。

そうなると、最近見直したのは「紙面そのままをタブレット」という読み方だ。ウェブ版に比べて、見出しの大小などがわかる。それを新聞社の誘導といえばそれまでだが、問題はそれが一定の影響力を持っているということだ。新人が「自分より大人の視点」を知ることは、まずは良手だろう。しばらく読んで、価格相応の価値がないと思えばやめればいい。

「型より入り、型より出でよ」という言葉がある。日本では画一教育を批判するあまり「個性的でなくて大丈夫だろうか症候群」も強い。とりあえず「型に入る」という意味では、朝早く行って、新聞読むくらいはちょうどいいんじゃないだろうか。そこから、「どう出るか」というところからが本当の競争なんだから。

それにしても、日経はあの真ん中の市況欄、いつまで載せるんだろうか。ああいうのって「新聞って古いよな」と思わせる原因の一つになってる気もするけどね。