中目黒のマーケター、について。
(2014年5月14日)

カテゴリ:キャリアのことも,マーケティング
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いまさらこんなこというのも変だけど、マーケティングや広告、そしてメディアにかかわるビジネスって、「都市の仕事」だと思う。典型的な「都市型ソフトウェア」というんだろうか。

人と情報が集積しているから、新しい潮流が生まれる。

ただ、実際のお客さんは世界のあちらこちらに暮らしている。だから、マーケターが都市に暮らして働くのはいいけれど、その世界がすべてではない。

でも、最近マーケティングや広告、メディア界隈の人が見ている世界が、限定的になっているようにも思う。

何というか「中目黒のマーケター」という感じの人が多くなりすぎている気がするんだ。

もちろん、中目黒に住んでいるとかオフィスがあるとかいうわけではない。生活様式全体を象徴する街としてなんとなく「中目黒」な感じなのだ。

イメージだと、もちろんiphone持ってて、アップルファンで、酒はそこそこ、飲むならヒューガルテン、焼肉を好むが最近は熟成肉に流れ、クルマは持たずに自転車乗って、ひょっとしたら東京マラソン出るくらいアクティブで、買い物はネットで、春が来れば目黒川の桜をfacebookにアップしているような人たちだ。共働きも多い。京都も好き。

オフィスが都心から西南方面が多く、利便性で住居を選ぶので通勤時間は短い。

というようなイメージで、別に中目黒から恵比寿界隈が似合いそうな人なんだけど、一方でイオンには行かないし、というか近くにないし、地上波は見ない。

別に、それでもいいかもしれない。ただ、イオンやヨーカドーというのはメーカーでマーケティングしている人にとっては、とても重要な存在だし、地上波のCMもまた最大の広告媒体だ。

優れたマーケターなら、自らの生活様式が決して多数派でないことを意識している。実際に話して「それ中目黒的でしょ」とい突っ込むと、ピンと来るようだ。

でも、SNSのように類似したセグメントの人が集まるメディアに長く接していると、この錯覚はさらに強まるだろう。

広告会社やマスメディアの社員などは、昔から都心の街で遊んでいたけれど、20年くらいまではそれなりに居住地がばらけていて、結果として多様な消費者視点がどうにか確保されていたと思う。

その後地価の下落で都心回帰が進み、マンションの供給も増えて、ネットが発達したことで広告やメディアビジネスで働くマーケターの生活様式は似通った。今の感じだと、中目黒に加えて「豊洲のマーケター」も増えているようで、もっともあそこには、行くかどうかは別にイオンがあるけれど。

自分の感覚を信じることと、ホントかよ?とチューニングすることのバランスはマーケティングとそのキャリアにおいて一番大事なことだと思う。

その感覚がずれるから「マイルドヤンキー」などが、あたかも“発見”されたかのように騒いでしまう。自分が見てなかったものが見えたことは「社会学」の議論ではなく、単なる「社会科見学」」なのだから。