会社を辞めた朝から、12年。
(2016年9月1日)

カテゴリ:雑記

IMG_18929月1日は、多くの学校で新学期で、また防災の日だ。夏が終わって「引き締めろ」という感じになっている。

で、極私的には、会社を辞めていまの生活をスタートさせた日だ。ふと気づくと、12年である。干支でいう一まわりではないか。誰か祝ってくれ。

本来は、どこかに食事に行ってもいいんだろうが、よりによって原稿に追われた中での12年になってしまった。

ちなみに会社を辞めた日は、とてもわかりやすいことをしようと思った。妻と帝国ホテルに泊まり、以前から行きたかったレストランに行った。夕方に会社へ行って、挨拶をして戻ってきたら、妻がプレゼントを用意してくれていた。名刺入れだった。

さすがにボロボロになって代替わりしたけれど、抽斗にしまってある。

そういえば、会社でもらった花をどうしようかとフロントに電話をしたら、すぐに立派な花瓶を部屋に届けてくれた。さすがに帝国ホテルだな、と感心した。

印象的なのは翌朝だった。今日のように天気がよく晴れ渡っていた。日比谷公園を散歩して、周りの会社員を見ながら、嬉しいような不安なような気持ちになった。

オフィスを借りたりすることはしないで、最小限のコストで仕事をしようと思った。

ただ、1つだけ贅沢をした。それは、鞄だ。

以前にもちょっと書いたけど、ルイ・ヴィトンのリュックだ。このバックパックのタイプは今では相当増えているが、当時はモデルも限られていた。

そして、前からあった椅子とパソコンを用意して寝室の一部のスペースで仕事を始めた。来客と打ち合わせできる場所はリビングになってしまうので、ミーティングはすべて外になる。だから行動的なリュックにした。

その後引っ越して、仕事部屋もできて椅子は新しいものにした。ただ、鞄はもちろん使っている。傷みを避けるために、季節でローテーションをしているがまだ健在だ。

会社を辞めて独立する人に、アドバイスをするなら、徹底してローコスト構造にすることが1つ。まあ、これは多くの人が言っている。

ただ、これというところには、贅沢してもいいんじゃないかと思う。

僕の場合は、この鞄とウェブサイトだった。オフィスも借りずに、会社組織にもしない。だからこそ、それなりの「門構え」を作っておいて、「動ける仕事場」をしっかりさせようとしたわけで、これは今にして思うと合理的だったと思っている。

たしか、辞めて10年の時も似たようなことを書いていて、もうこの日になるとどこか感傷的になるわけだが、まだ「やってみたいこと」はある。そんなことを、考えながらの13年目。

めくったカレンダーを見ると、今夜は新月らしい。
これからも、よろしくお願いします。