コンビニは戦略より執念?和菓子に感じるセブンイレブンの凄さ。
(2016年10月3日)

カテゴリ:マーケティング
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pafe三国志というのは、キャラ的にわかりやすいのだろうか。いまの携帯電話がそんな感じだけど、コンビニもついに大手3社となった。

ファミマへのブランド統合に、ローソンの三菱商事による子会社化と続いたが、今年はセブン&アイの騒動もあって業界的にも賑やかだったと思う。

いろいろな展望記事も多く、経営陣にもスポットが当たっているけれど、「1店舗当たりの売上高(日販)」についての踏み込んだ記事は意外とない。トップのセブンイレブンはローソンより20%以上多く、統合したファミリーマートはさらに低い。

「オリジナル商品やPBの力の差」というのは、まあちょっと考えればわかるだろう。だから「商品開発力を強化するべき」とどの記事も多いが、ふと疑問が湧く。

「セブンイレブンの商品力の強さはどこにあるんだろうか?」

個人的に感じるのは、「執念」のようなものだ。最近凄いなと思ったのは「和菓子」だろうか。何を食べても「期待以上」の驚きがある。

9月頃に出ていた「お芋とほうじ茶の和ぱふぇ」(ウウウ、ここで平仮名がちょっと恥ずかしい)とかは、絶妙だった。甘さは適度で、下にある寒天のほうじ茶味とコンビネーションが楽しい。白玉も含めて、異なる食感が巧妙にブレンドされている。

ローソンもファミリーマートも、商社の影響が強いし、「戦略」などは得意なのだろう。トップのインタビューなどを読んでもそう感じる。

ただ、個々の商品づくりにこれほどの執念を感じない。一方でセブンの商品開発は、戦略とかで説明できる感じがしない。

客にどう感じてほしいか?という執念があるんだなあと思う。「コンビニだから」と許したり、あるいは諦める客もいれば、「コンビニにしては」と誉める客もいるだろう。

そうではなくて「このコンビニの商品で買いたい」という気持ちを持ち続けてもらうための、相当な気迫や粘り強さがあると思う。

執念とか気迫とか、それじゃあまりに精神論じゃないかと言われそうだが、他の2社は着眼点が面白い商品はあっても、「見切ってる」感じのものも多い。

レストランなどとちがって、とりわけ高価ではない日常の食べ物だからこそ、そのあたりのちょっとした差がブランド力につながる。

まさに「神は細部に宿る」という感じだろうか。

ちなみに、コンサートなどのチケット発券でもこの3社は結構違う。ネットで予約したものを発券するときだけど、ファミマは13ケタの番号を端末に入れて、それをプリントしたものをレジに持って行く。セブンイレブンだと、13ケタの番号をレジで伝えるかバーコードの画面を見せるだけでOK。手順が全くラクだ。

ローソンに至っては、真っ当に発券できないこともある。細かくは書かないが、顧客管理をしようとして却ってややこしくなったみたいだ。そういえば電子マネーで払う時も、レジでいちいちタッチしなくてはいけない。

まあ、感覚的な話だけどもしかしたらローソンが一番「頭でっかち」なのかもしれないな。経営陣は戦略考える前に、よそのコンビニの飯食って、チケット出して電子マネーで払ってみたほうがいいのかも。

【追記】セブンイレブンで1つ気になるのはたまにやってる「スピードくじ」だ。結構な確率で当選が出て、そのたびに店員が商品を取りに走る。レジの待ち時間は伸びるし、店員の負担も高いだろうに、それでもやるのはそれだけの理由があるということなんだろうか。