2013年は「魔法の絨毯」なのかなぁ。
(2013年10月3日)

カテゴリ:マーケティング
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212-nikkei.png10月となると、そろそろ今年を振り返ってしまう。早過ぎるような気もするかもしれないが、12月決算の自営業だといろいろ総括する感じなのだ。
紅白歌合戦では「あまちゃん」関係がこれでもかと悪乗り気味にハシャぎ、年が明ければ「2020・TOKTO」に向けての未来予測が湧いてくるんだろうなと。
で、今年の流行語って、結構わかりやすいなと思う。
「アベノミクス」「今でしょ!」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「お・も・て・な・し」あたりだろうか。学生に聞いてもこの5つまではすぐに出てくる。
いかにも、昔ながらの「流行語」っぽいなあ、と思う。
まず、「マスメディア発」の言葉が多い。CM、ドラマ発で、スポーツ選手が漏らした一言などが目立たない。芸人発も、影が薄い。「iPS細胞」のような、科学系の言葉もあまりない。もっともノーベル賞や日本シリーズはこれからなので、まだわからないけど。
また、何というか「カネのにおい」がするのも今年の特徴だと思う。アベノミクスはずばり経済の話だし、その株高局面で(買うのは)今でしょ!という流行り方になった。「倍返し」も銀行の話だし。そういえばやや玄人好みだが「異次元」もあった。
でも、地に足の着いている感じがしない。右肩上がりだけど、何だかフワフワしてるのだ。やはり根底にあるのは緩和政策を背景にした株高で、その勢いにとりあえずみんな乗ってみましたということなんだろう。東京五輪だって決まったはいいけれど、「じゃあ、どうするんだ」と考え始めると百家争鳴だろうし。


ちなみにこの写真は、今年の5月11日に撮ったものだ。たまたま日中にいろいろ整理していて出てきた古新聞を見て強烈な既視感に襲われたのだ。
「これ、見たことある」
そりゃ、そうだ。だって、その日の朝に見た日経の一面と酷似していたのだから。ちなみに古新聞の方は2007年8月5日。首相は辞任直前の安倍晋三なのだ。まだ3ヵ月あるけど、2013年は、みんなで魔法の絨毯に乗って空を飛んでいるような気分の年だと思う。絨毯が怪しくなってきた辺での五輪決定もあって、とりあえずまだ絨毯は空を飛んでいる(ように感じる)。
この魔法の絨毯はどうなっていくのか。いろんな指標、特に足元の消費関連の数字を見てると、そもそも絨毯に乗ってない人もいるし、絨毯から降り始めている人も多い。消費増税も当然影響するだろう。
ちなみに、この6年前の直近株価は17,000円前後で、この1年後にはあのリーマン・ショックがやって来た。
もっとも、2007年は既にサブプライム・ローンの問題が取り沙汰されていて、もちろん今とは異なるんだけど、「じゃあ次はこれ」という見通しがないままのフワフワ感はどうも気になるのだ。