これが岩波書店の志望動機だ。
(2012年2月2日)

カテゴリ:キャリアのことも
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岩波書店の新卒採用が話題だ。「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」とHPにはある。。まあ事実上の縁故採用とも言えるが、せっかくオープンに方針を出されたのだから、僕が適切な「志望動機」の模範例を考えた。学生の皆さんはぜひ参考にしていただきたい。
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私は、今回の御社の採用方針を見て、かねてからの御社の主張に合致すると思い、その一貫性に深く共感して、第一志望とするものであります。
まず、第一に御社は2008年秋以降の「派遣切り」などに対して強い批判をおこなってきました、それは、大企業と人材会社の構築したシステムにより人権がないがしろにされたことが原因だったと考えます。
それに対して、今回の採用方針は人と人のネットワークをベースとしたものであり、新たな人間関係と社会基盤の確立に寄与するものだと思います。
また、御社は震災後の原子力発電の安全性に強く警鐘を鳴らしてきました。地球という星の存続が危ぶまれる時に、あえて「限られた人々」だけを選ぶ姿勢は、旧約聖書の「ノアの方舟」を連想させます。
そこには、御社が常に社会をリードしてきた姿勢が反映されており、理想の日本を再構築する意気込みを感じることができました。
さらに、御社は一貫して「護憲」の立場を貫き、ことに憲法第九条を支持してきました。今回のようなきわめて特異な選考方法は、無用な競争を抑制するとともに、過剰な就職活動への準備を不要とさせる可能性を秘めています。
これは、「戦争の放棄」「戦力の不保持」を具現化するものであり、憲法の精神を実践しているのではないでしょうか。
以上のような理由から、私は岩波書店の一人として、お役に立ちたいと考えております。(575字)
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志望される方は、ぜひ参考にしていただきたい。
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