2月のメディアに感じた「空気の高齢化」。
(2014年2月25日)

カテゴリ:メディアとか

2月が今週で終わる。そして、なんだか今年の2月は「メディア疲れ」という感じだ。都知事選に大雪、そしてオリンピック。ネットを見ていても、思い入れの強い記事が多いせいか、なんだか疲れる。

雪で自宅にいる時間が長くなるので、接触時間も長かった気がするし。

それにしても、改めて日本は高齢社会になっているんだな、振り返って実感する。

都知事選は高齢者層の票をしっかり集めた舛添氏の圧勝。

雪が降っても、「ああ大変だ」という空気になる。もちろん雪だるまとかネットにも投稿されるんだけど、子供自体の数が少ない。

歳を取るにつれて「雪を歓ぶ」が「雪を嫌がる」になり、やがて「雪を恐れる」になる。「歓雪→嫌雪→恐雪」と、いかん下手なマスコミ造語みたいだけど、それが世の中の空気だ。

猛暑も台風もそう。NHKでも、トップニュースが「気象」ということが増えたと思う。

オリンピックも、そんな感じがする。フィギュアスケートって。全然よくわからないんだけど、テレビのある飲み屋で中高年の男性が見ながら話しているのをみると、「詳しいな~」と思うことが多い。

だからプレイヤーへの視点も「娘を応援する」どころか「孫を応援する」ような感じになっている気がする。

もっとも、twitterのツイートもかなり増えたように、若年層は別の盛り上がりになっているんだろうけれど、テレビを初めとするマスメディアの空気感は、高齢化だ。

2月に特に感じたこの傾向は、ますます進行するだろう。

現実の高齢化は医療や福祉などやること山積みなのはもちろんだけど、この「空気の高齢化」とどう付き合っていくか、というのが同じくらいに大切な問題なんだろう。

本当はネットがバランスのとれたコミュニケーションの場になればいいんだろうけれど、なかなかそうもなりきれず、むしろ毒が気になることをちょっと前に書いた

ただ、ネットの可能性はまだ十分に発揮されてない。というか、ネットがどうにかしないと、本当にバランスが崩れてしまうのではないか。
宴も終わり、4月には消費増税になる。賃上げなど縁のない高齢者にとっては、単なる負担増だから、若い人が考える以上に怨嗟の声は強まる。それもまた、空気を変えるだろう。しかも、扇動的になる可能性も多い。

この春は「ネット言論/ネット世論」の価値と意味が、本当に問われてくる試金石かもしれない。