新入社員の皆さん、人を貶める先輩には気をつけよう。
(2018年4月2日)

カテゴリ:キャリアのことも

昨日、競馬の大阪杯を見ていた。勝ったスワーヴリチャードに乗っていたミルコ・デムーロが恐ろしく大胆な騎乗をして、そのまま押し切った。

普段はネットの掲示板は見ないのだけれど、こういうレースの後とかだとついつい覗いてしまう。テレビの解説者ではなく、観ていた人はどう思うか気になるのだ。スポーツを観る人なら、そういう経験はあるんじゃないだろうか。

多くは、絶賛しているんだけれど、なかにはケチをつける人もいる。ああ、そうだ。こういうのを見るのが嫌なんで、掲示板とか見ないんだよなぁと思い起こして、見るのはやめた。

もちろん、誰もが絶賛するプレーというのはない。だから、異を唱える人がいるのはいいと思う。ただ、悪口を言うというのは、それほど難しくない。

時計を持ち出して「レース全体のレベルが低い」とか、「たまたま条件に恵まれた」とか、けなす方法はだいたい似ている。別に競馬には限らないわけで、フィギュアスケートなら「相手のミスに助けられた」とか、サッカーだったら、「偶然いいポジションにいただけ」とか、いくらでも言える。
まあ、ネット上で匿名でチクチク言うのが趣味なら、その程度で済むんだろうけれど、実際の社会にもこういう人は結構多い。人を貶めるのは好きだが、褒めることはしないというタイプだ。

今日から、社会人になった人も多いと思うけれど、そういう人には距離を置いた方がいいよ、と改めて言ってあげたいと思う。

こういう人は結構偉い人にもいたりする。だから、仕事ができないとは限らない。しかし、このような人は本質的には「小さな人」だと思う。

人をけなしたいなら、とりあえず欠点を探せばいい。それを他人に言うことで、自分が優越感を得られる。

人を誉めようと思ったら、いいところを見つける。ただ、それを他人に言った時に、自分は劣位になるように感じるかもしれない。ということは、自信がある人じゃないと、他人を誉められないということだ。

ただ、他者の弱点を探すというのは戦いの基本だ。だから、競合企業の問題を抉ったり、社内の同世代の欠点を見つけて、それなりに出世してしまう人もでてくるわけだ。

ところがよくしたもので、こういう人はどこかで伸びなくなる。戦士としての能力はそれなりにあっても、リーダーとしての資質に欠けるということだろう。

新入社員と言うのは、その組織においては赤ん坊のような存在だ。ただ、赤ん坊が直感的に敵味方を感じるように、彼らは抜群の嗅覚を持っている。ところが知識が増えるとともに、その嗅覚は減退してしまう。

だから、新入社員の皆さんはこれから1カ月くらいの間に出会った人で「この人、なんかいいな」と思ったら、ぜひ良い関係を築いてほしいなと感じる。

「できる人」よりも、「大きな人」だったら、なおいいと思うよ。

 

※追記:とはいえ、誰もがいい出会いに恵まれるとは限らないわけで、いろいろストレスがたまった時に、一瞬現実を離れて楽しめるエッセイって、岸本佐知子さんなんかいいんじゃないか。まあ、新入社員にこの本を薦める人もそうそういないと思うけど、そもそもどんな年代の人が読んでも楽しめるエッセイだと思う。