カルロス・ゴーンが逮捕された。報道などを眺めていると「日本のメディアのいま」が見えてくる気もする。

というのも今回の事件は相当にややこしい。日産からの発表や検察からの情報だけで、「はいわかりました」という感じにはなれない。だからと言って、何を言っても推測になる。これはメディアにとっては、「おいしい」状況だ。ネタが豊富なので、いろんな好みに合わせられる「バイキング料理」状態なのである。
そして、あっという間にお腹いっぱいだ。

とはいえ、ざっくり4つに分けるとこんな感じだろう。Pゾーンの地上波TVなどは「公的発表+したり顔のコメンテーター」というお馴染みの組み合わせ。ベルサイユの一件などワイドショーと相性の良いネタもある。

日中のテレビはかつては主婦、その後は高齢女性がターゲットだったけれど、最近はリタイアした男性も多い。だから「日大タックル」のような事件が結構続くのは、あれがある種のサラリーマン社会の縮図だったからだろう。

そういう意味で今回のニュースも、そうとういろいろ引っ張れそうだ。ただし、その質はまあそんなものである。

一方で、いわゆるビジネスパーソン相手のQのゾーンはもう少しいろんな解説をしてくれる。ルノーとの関係や、フランス政府の関与など。ただし、まだまだ掘り下げは足りない感じにもなってくる。 >> ゴーン逮捕で見える「メディアのいま」。の続きを読む



最近話題になることが多いようだけど、個人的にはなんか急速なネタ切れ感もあり、結局は「諸説あります」かよ、と見なくなった番組がNHKの「チコちゃんに叱られる!」だったんだけど、先日「どうしておじさんは“おやじギャグ”を言う?」というのが気になって覗いてみた。

なんか脳科学者と称する人が出てきて言うのは、「連合記憶」が50代をピークに活性化する一方で、前頭葉がダメになり、節制が効かなくなる、とかいう説明だった。女性が言わないのは、左脳と右脳の関係云々というわけで、実はこの手の話は放映以前からネットの記事などにも多い。

脳科学、というのはある種の説得力がある、というか「脳本位制」みたいな人は結構いるので流行るし、なんか自分のできないことを「脳のせい」にしたい人には便利なのだろう。ただ、一歩間違えると性差別にもなるし、ちょっと調べればまだまだ未知の領域があるので、個人的にはそれこそ「諸説あります」程度に聞くことにしてる。

ただ、この「オヤジギャグ」については自分でも関心があって、一応仮説がある。それは「承認欲求が満たされない不安から言ってしまうのでは」ということだ。

「自分の存在は周りから忘れられてないか」という承認不安が、オヤジギャグの原因ではないかと思うのだ。 >> 「オヤジギャグ」は、承認不安が原因だろうと思ったんだけど。の続きを読む



なんか、JR東日本で大変な苦労をした。いや、電車で不快とか駅で困ったとかいうわけではない。まあ、あれだけの客を捌いているのだから、十分に頑張っていると思うくらいなんだけど。

で、苦労したのはネットの話である。晩秋に遠出をするので、久々にSuicaやらのポイントを使おうと思ってサイトを見たら、JREポイントへ移行しなさいと言う。ああ、そんなこと言ってたなと思い、手続きをしたのだけれど、これが大迷路なのだ。

そもそも、JREポイントに登録する時に「JREポイント番号」を要求される。どこにあるんだ?と思うと、僕のビューカードの請求書にあるという。でも紙の請求書はないので、VIEW’S NETを見ろと言うので、そこで請求を見ると書いてない。

紙に似てるけど、そこにはない。しかもサイトのどこにあるのかを教えてくれないのでウロウロ探す。それで、どうにかなったと思ったけど、まだやることはあった。

まず「えきねっと」のポイント移行もまだだと言われる。つまり、予約サイトは別のポイントだったのだけれど、これを移行しようとしたら今度は「ポイント交換番号(10桁)」が必要だと言われる。

この番号は、さっきの「ポイント番号(12桁)」とは違うのだけれど、これをまたJREのサイトで探すのだけれど、なかなか見つからない。

変だな?と思ったらそもそも僕のSuicaがまだ登録されていなかったのだ。 >> JR東日本のJREポイントなどが、温泉旅館の大迷路だった。の続きを読む



7月は、豪雨に猛暑に逆走台風で、関東ではやっと「普通の夏」になった気がする。それでも、十分暑い。

こうも暑いと、動物もきついだろう。猛暑の頃、家を出た先の道の隅で、あの虫が引っ繰り返って死んでいた。最近は、アルファベット7番目の文字で表記される、あれだ。タフと言われるあれがああなのだから、相当な暑さだったということなんだろうか。
ちなみに、我が家ではもう20年ほど見ていない。「コンバット」のおかげだと思う。すくなくても、鉄筋の集合住宅では相当効果があるんじゃないだろうか。

しかし、なぜあの虫は片仮名4文字で呼ばれなくなったのか?一応名前はあるが、最近は耳にしなくなり、イニシャルになっている。

で、その理由なんだけど、それは、現代の日本社会における「禁忌(タブー)」と深く関係しているんじゃないかと、勝手に思っている。

禁忌の研究というのは、民俗学などでは大きなテーマで、「キュウリ タブー」とかで検索すると、結構出てきて、先日行われた博多の祇園山笠などが有名だ。

しかし、名前自体の禁忌とは何か?それは、「避けたい対象には直接その名を呼ばない」ということである。

いや、これは最近のあの虫についての話ではない。

学生時代にドイツ語の先生が話していたのだが、ドイツなどヨーロッパ内陸では「熊」がその対象になったという。「言うと出てくるから」のように、禁忌とされていたということだった。 >> なぜ、あの虫は”G”と呼ばれるのか?の続きを読む



(2018年6月13日)

カテゴリ:世の中いろいろ

ワールドカップが、1週間後に迫っている。昨日は勝ったけれど、ではそれでグッと盛り上がっている感じはしない。なんというか、「始まる前から後味が悪い」という奇妙な感覚になっている。

もちろんサッカーファンにとっては「そんなことはない」のだろうけれど、「フツーの人」の関心は移ろいやすい。開幕したら、それなりに賑やかになる可能性はあるけれど。

やはり、前監督の解任から「なんか変な感じ」が漂っているんだろが、その後もどこか妙な空気がある。

でも、それはプレーではなくメディアから漏れてくる「言葉」が関係しているように思うのだ。

本田がNHKの番組でこう言ったとか、長友がツイッターで挑発的なことを言ったとか、その内容は素人が見ていても「いい感じ」にはほど遠い。

考えてみると、最近のスポーツの話題は、「競技の外」であることも目立つ。どちらかというと、「言葉」をめぐる騒動だ。

日大のアメフトをめぐる話も、プレーそのものよりも「記者会見で何を言ったか」「どんな指示があったのか」ということに焦点が当たっていた。考えてみれば、昨秋からの大相撲の騒動もそうだ。言葉の応酬が続いたけど、いったい何が問題だったのか、よくわからないままに終わってしまった。

その、「言葉の格闘」はSNSを通じてだれでも参戦できる。

羽生弓弦や大谷翔平の活躍には、称賛の言葉が連なる。ところが称賛の語彙は多くない。だからみんな同じ言葉を連ねることになるし、言葉よりも拍手を送りたい気持ちになるだろう。 >> スポーツと言葉。の続きを読む