投票日前日、少し憂うつな理由。
(2016年7月9日)

カテゴリ:世の中いろいろ

参院選の投票日が明日になった。憂うつといっても、別に行きたくないとか、面倒くさいとか、そういうわけではない。

ここ何回かの選挙では、投票日が近づくにつれてSNSへの書き込みにも政治的なものが増える。自分の知人が、政治的な意見を述べるのを目にすることが多くなるわけだ。

ただ、恐ろしいことに、政治的発言というのは、その人の理性のありようを露骨に見せてしまう。

自分の嫌いな政党を攻撃するようなサイトを、片っ端からシェアしまくっているような人もいる。それも、自分のコメントがなく「無言でシェア」という感じだ。大概、自分よりも相当年上だ。

なんだか不気味な感じがするので、まあ、そっとフォローを外すことになる。

そして、選挙戦が追い込みになると、怪しい情報が飛び交う。

デマのようなものや陰謀史観とか、そういうのを無邪気にシェアしていて、それが教育に携わる仕事をしている人だったりもする。

つまり、選挙前のSNSはその人の理性をあぶり出す装置でもある。ヒートアップするほど、理性が吹っ飛ぶ人が多いのだろう。

売れなくなった俳優が都知事選に出馬しようとする姿を見て、僕なんかは「承認欲求がこじれると怖いよなあ」という感想くらいしか持たなかった。

でも、期待する人もいたりするらしい。もちろん人それぞれだとは思うのだけれど、選挙期間というのは、ある種の人には感情が昂揚するプロセスなのだろう。

政治と情念は切り離せない面がある。ただし、政治過程をていねいに観察すれば、成果は理性によってもたらされる。感情過多になった革命などは、その後にどうなったか。

それなのに、ネット上では過剰な感情が蔓延していく風景が毎回のように続き、投票日前はどことなく憂うつになるのだ。

まあ、僕の思い過ごしかもしれないが。

どんな結果になっても、週明けには意欲をもって働き始められる気持ちになることを願いつつ。