台風がやたらと来る。

11号、9号の順に上陸して、迷走した10号がその後にやって来て、週明けには12号も来るらしい。

僕は幸いにして焦るようなことはなかったけれど、いろんな情報には敏感になった。そして、今年の夏に市民権を得たのは米軍の台風情報ではないだろうか。

結構前から知る人ぞ知るソースだったようだけど、今年はSNSでシェアしている人が一気に増えたように感じる。

そして、早目の情報はSNSで知り、結構助かったようにも思う。

たとえば、迷走した10号だけど、「戻って来るぞ」という話はSNSで知った。いま確認したら、24日だったので相当早い。まだ、どのメディアも報じていなかったと思う。

米軍情報をもとにしていたけれど、他にもそういう人がチラホラいた。何でかな?と思うと、サーフィンやダイビングなどマリンスポーツをしている人が多い。

なるほど、そういう人だったら敏感になるわけだ。おかげで、動きに備えて「プランB」を考えておいたので、仕事も問題なかった。

また、年配の方などは反応が早く、予定を変更したりするし、小さい子どもがいる人も敏感だ。 >> 台風情報は、気象庁よりも「SNS自衛団」かな。の続きを読む



老子岩波昨日近所の店で1人でランチをしていたら、隣の客が夏の終わりを嘆いていた。

女性2人なのだが、「もう30日なのに」とため息気味だ。しようと思ったことは殆どできず、本棚の整理がやっとだという。もう1人も相槌を打ちつつ、9月からに備えようかと励まし合っていた。

途中でわかったのだが、地元の中学校の先生だった。そうか、生徒が焦っている頃、先生も嘆いてる。なあんだ、「夏休みの宿題」やっていないんだ、と生徒が聞いたら喜ぶだろうな。

いずれにせよ、こうした夏の終わりの寂しい時は、ゆるゆると気を持ち直すしかない。晩夏に限らず、そういう変わり目の季節は「老子」が何とも沁みてくる。沁みる、というと単にしみじみするだけのようだが、老子にはそれなりの不思議なエネルギーがあって、読み返してしまう。

さて、夏には遠出した人も多いだろうが、そうもいかなかった人もいるだろう。いろんな旅する人の話を聞いて思うのだけど、「旅の数や距離と、本人の知恵や見識はあまり関係ない」ということだ。

学生の頃は違った。「1人で世界一周」みたいな経験はそれだけで凄いんだなと思ってた。ただ、段々と「だから、何なんだろう」と思うようになってきた。

ひところは、就職活動で「旅の経験」を語る学生が多かった。世界一周はさすがに少ないだろうが、米国やユーラシア横断などだと、たしかに「語れるネタ」ではある。だから「僕は海外行ったことなくて」という不安を訴える学生もいた。 >> 世界を見たからといって、世界がわかるとは限らない。の続きを読む



リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式での、日本のプレゼンテーションにはいろいろと驚いたり感心したりした。ハイライトで首相が登場したことについては、まあ、もともと彼を嫌ったり「許せない」人にとっては否定的だろうから、まあそういう方には「日刊ゲンダイ」でもご覧いただくとして、ちょっと別の角度で見てみたい。

一言でいうと、「首相や大統領があのパフォーマンスができる国」っていうのは、そうそうないことに気づく。

つまり、国内からというより、世界の国から見ると、日本の強みが見えたと思うんだよね。

 

  • 安全で平和な国じゃなきゃ、あれはできない

国内が乱れていたり、ましてや交戦中の国では、首相がああいう振る舞いをするわけにはいかない。今回も、突発的事態があれば日本を離れられない可能性もあったわけで、きっと「プランB」があっただろう。

たとえば、フランスのオランド大統領を見るのは、テロの後の記者会見の悲痛な表情の時が印象的だ。リーダーの姿は、国への印象を左右する。

 

  • トップはいい意味で「軽い」方がいい

米国大統領をはじめ、西洋先進国の首脳はみんなユーモアのセンスと軽妙さを感じるけど、東洋はどちらかというと堅い。また、プーチンなんかは、笑っていいのか怖がればいいのか、ちょっと困るようなところもある。ましてや、軍事力を背景にこわもて外交をやってる国の首脳などは相対的にマイナスに見えるだろうな。

 

  • 「ソフト・パワー」の国だから、できる

考えてみると、世界の国で「首脳がコスプレ」するほどの知名度があるキャラクターは、そうそうない。アメリカの大ネズミくらいじゃないかな。まあ、オバマだったら仮にやってもおかしくないと思うけど。

 

つまり、首相登場の背景を見ると、相対的に見た日本の強みが浮かびあがってくるように思う。

全体の企画演出が「日本らしさ」を狙っていたのはもちろんだけど、こうやって見ていくと首相を「起用」できる国は少ないと思うんだよね。領土や歴史問題で日本に対して好意をもっていない一部の国の人は不満を持つかもしれないが、広い目で見た外交戦略としては、プラスだと思う。

ちなみに、首相登場だけでなく、全体の企画に対するSNSなどの声を見ると、自分の周りにいる企画畑の友人が皆これほど絶賛していたけど、初めてだと思う。プロはプランニングする人への敬意をしっかり持っているんだなと再確認した。



(2016年8月16日)

カテゴリ:世の中いろいろ

2週間ブログを休んでいた。特に何もせずに東京を離れたり、お盆の歌舞伎座に行ったりしながらゆるゆると再開している。

その間に都知事選があり、五輪が開幕した。そして、天皇陛下の「お気持ち表明」があり、あのグループの「解散通知」があった。

いろんな意味で、「平成」を思う夏だ。

あのグループは1988年の結成というから、まさに平成の歴史に重なる。そして、25年から30年というのは、ある意味必然的な転換点になりやすい。

それは、世代交代のサイクルだからだ。

かつて「企業寿命30年」という説があった。もちろん数百年続く老舗もあるので、すべてが説明できるわけではない。ただし、急速に隆盛を迎えた会社のその後の波を見ると、一定の共通点があると思う。

30年とは企業にとってどういう年月なのか?

15歳の若い顧客は、中年になる。成長期を支えた30歳前後の社員は、還暦となる。必然的に、それまでの勝ちパターンが通用しなくなるのだ。

平均寿命が短い時代はサイクルももう少し短かったと思うが、現代では30年くらいがその目安なのだろう。 >> 平成とSMAP、そして30年。の続きを読む



子どもの頃、夏休みになると周りの友達が「いなかに帰る」という。­

ところが、この意味がよくわからなかった。僕は父の祖父母と同居していて、両親ともに東京出身である。一体「いなか」ってどこなんだろうか?というのがピンと来なかったのである。

妻の出身地は東京ではないのだが、夏は結構暑い。一度夏に行ったが、皆で部屋でメシ食うくらいしかすることもなく、帰省は他の季節になった。

というわけで、盆の頃は東京にいる。

ただ、それだけだと芸もないので都内か横浜のホテルに泊ったりしてみたんだけど、これが結構楽しい。会社を辞めた頃から続けているので、10年以上になる。

何をするかというと、まあ大体は読書だ。

印象的なのが、2005年の夏のこと。行きがけの書店で買ったのは佐野眞一の「阿片王」だった。第二次大戦時の満州の闇を描いたドキュメントだったが、部屋から見えるのは首相官邸と議事堂だ。しかも郵政解散で、永田町はガラガラ。8月15日に霞が関界隈は半旗だった。

泊まったのは今はなきキャピタル東急だった。というか、今も同じ名前で同じ場所にあるけど、名前以外は全く違うホテルになって、泊まったことはない。 >> 都心のホテルで、「大人の夏合宿」のすすめ。の続きを読む