(2016年8月16日)

カテゴリ:世の中いろいろ

2週間ブログを休んでいた。特に何もせずに東京を離れたり、お盆の歌舞伎座に行ったりしながらゆるゆると再開している。

その間に都知事選があり、五輪が開幕した。そして、天皇陛下の「お気持ち表明」があり、あのグループの「解散通知」があった。

いろんな意味で、「平成」を思う夏だ。

あのグループは1988年の結成というから、まさに平成の歴史に重なる。そして、25年から30年というのは、ある意味必然的な転換点になりやすい。

それは、世代交代のサイクルだからだ。

かつて「企業寿命30年」という説があった。もちろん数百年続く老舗もあるので、すべてが説明できるわけではない。ただし、急速に隆盛を迎えた会社のその後の波を見ると、一定の共通点があると思う。

30年とは企業にとってどういう年月なのか?

15歳の若い顧客は、中年になる。成長期を支えた30歳前後の社員は、還暦となる。必然的に、それまでの勝ちパターンが通用しなくなるのだ。

平均寿命が短い時代はサイクルももう少し短かったと思うが、現代では30年くらいがその目安なのだろう。 >> 平成とSMAP、そして30年。の続きを読む



子どもの頃、夏休みになると周りの友達が「いなかに帰る」という。­

ところが、この意味がよくわからなかった。僕は父の祖父母と同居していて、両親ともに東京出身である。一体「いなか」ってどこなんだろうか?というのがピンと来なかったのである。

妻の出身地は東京ではないのだが、夏は結構暑い。一度夏に行ったが、皆で部屋でメシ食うくらいしかすることもなく、帰省は他の季節になった。

というわけで、盆の頃は東京にいる。

ただ、それだけだと芸もないので都内か横浜のホテルに泊ったりしてみたんだけど、これが結構楽しい。会社を辞めた頃から続けているので、10年以上になる。

何をするかというと、まあ大体は読書だ。

印象的なのが、2005年の夏のこと。行きがけの書店で買ったのは佐野眞一の「阿片王」だった。第二次大戦時の満州の闇を描いたドキュメントだったが、部屋から見えるのは首相官邸と議事堂だ。しかも郵政解散で、永田町はガラガラ。8月15日に霞が関界隈は半旗だった。

泊まったのは今はなきキャピタル東急だった。というか、今も同じ名前で同じ場所にあるけど、名前以外は全く違うホテルになって、泊まったことはない。 >> 都心のホテルで、「大人の夏合宿」のすすめ。の続きを読む



それにしても「なぜ弱者を大切にするべきか」という理由をわかりやすく説明することは難しい。少なくても、「優しくしましょう」という情緒的な説得だけでは限界がある。

ただ、「弱者の視点で考える」ということは、相当に合理的だと思うので、ちょっと書き留めておきたい。

会社員時代に新人教育を3年間ほど担当したことがあった。その時にアタマの中でこういうコンセプトを持っていた。

「新人は会社の中で最も弱者なのだから、最大の資源を投入するべき」という考え方だ。

これは、実際にはほとんど口にしなかった。説明し始めると結構難しいのだけれど、学生時代にロールズなどの社会正義論を学んだこともあったので、自分なりに前からやってみたかったのだ。

結論的にいうと、この発想は正しかった。

何かの講義で、新人が「わかりにくい」というのは、よく研究すると話し手に問題がある。新人は知識面では最弱者だが、彼らに分かりやすく話せる人は外にいってもプレゼンテーションがうまい。

また、配属後に新人が行き詰ったりするときも、彼らが最弱者であると仮定すると、その組織の問題がよく見える。いろいろとうまくいってない組織は、いきおい新人にしわ寄せが行く。

つまり、弱者を基準に環境を最適化することは、全体にとっても最適化をしていくことになるのだ。 >> 弱者を大切にするのは合理的だと思う。の続きを読む



電車に乗っていたら、若い男女が都知事選の話をしていた。

2人とも都知事選に投票するのは初めてのようで、女性はあまり知識がないようだった。大阪の住民投票とは違うのか?みたいなことも言っていて男性が説明するのだが、途中からスマホで調べ始める。段々と話はそれなりに盛り上がっていくわけで、「ものごとを知る過程」を生で見たのは面白かった。

今回の選挙戦は、過去に比べて相当な激戦になりそうだ。保守系分裂が最大の理由だが、こういう場合は党の推した候補が苦杯を舐めることが多い。そして過去を振り返ると、石原信雄や明石康という官僚出身者も、磯村尚徳というニュースキャスターも敗れている。

この辺り、今回はどうなるのか。いずれにせよ、日本の選挙の中でも、相当特異だと思う。

そして、東京都民の特徴として「ネット好き」ということがあって、これが今回の結果に相当影響すると僕は思う。

ヤフーが今春に発表した調査が話題になった。

「日本は2つの国からできている」というタイトルで、検索における東京の特異性を明らかにしたのだ。

クルマよりもタクシーに関する検索が多く、「中学受験」や「フィンテック」に関する検索もやたらと多い。

それはなるほど、と思うのだけれど、個人的に驚いたのはそもそもの検索回数だ。都道府県別に人口当たりの検索数を見るとダントツに多い。東京を100とした指数で、次点の大阪は2/3にも満たない。隣の神奈川は半分程度である。 >> ネットと都民をなめてはいけない理由。の続きを読む



41Kxg85xZJLまだ報道の段階ではあるけれど、天皇が退位の意向を示されたという。手続き的には皇室典範の改正になるが、いわゆる「譲位」についての規定を決めるのは相当難しいかもしれない。

明治以降は譲位を想定していないのだが、それは政治的な恣意性を避けるためと言われている。

江戸時代は、徳川幕府と朝廷の間にさまざまな駆け引きがあった。幕府の意向、つまり時の実質的政治権力が天皇の即位に影響を及ぼすこともあったわけだ。

そんな古い話を、と思われるかもしれないが現在の典範の規定は歴史的な教訓を含んでいると考えていいのだろう。

江戸時代の朝幕関係で、もっともドラマチックなケースは、後水尾天皇を巡る話だろう。徳川家は二代将軍秀忠の末娘和子を入内させて、天皇家の外戚となることを目論む。

ところが朝廷への監視を強める幕府との間にトラブルが絶えず、婚儀の9年後に後水尾天皇は退位する。この辺り「紫衣事件」などが特に有名だ。

その後9代の天皇の退位理由を見ると、7人が譲位でしかも20代から30代の間におこなわれており、即位した天皇は20歳以下だ。このような運用が実際におこなわれていたことになる。 >> 天皇、徳川家、光琳、そして金銀の行方など。の続きを読む