大学生など若い人がネットに過度に依存している「情報偏食」の話をすると、必ず疑問が聞かれる。
「じゃあ、マスメディアはバランスがいいんですか?」
これに対しては、「ジャンクフードより定食の方がいい」としかいいようがない。ただ、この定食もかなり癖が強くなっている。新聞も社によって、かなりスタンスが変わる。皆が同じよりはましかもしれないが、何かこう頑固というか極端な感じが強い。
新聞などはさまざまなカテゴリーのニュースを掲載しているという意味では、たしかにバランスのいい定食に見えるが、味つけや盛り付けは、それなりに偏っている。
僕はたまたま妙ないきさつから、高校生の頃からしばらくは家で3紙もとっていたし、その後もメディアに近い仕事していたので、癖は大体わかる。というか、新聞を若いころから読んでそれに対する批判も知っていれば、だいたいバイアスを自分なりに制御するだろう。
「ここの漬物は塩がきついから残す」「この揚げ物は全部食べると重すぎる」とかいうようにで食べる感じだ。
つまり、新聞の記事もすべて読み込むわけではないし、論説を鵜呑みにするわけでもない。
中には極端な味付けが癖になる人もいる。原子力発電関連の記事などが新聞によって極端になるのは、「もっと刺激がほしい」という客が一定数いるからだろう。まあ、その結果どうなるかはともかく。
一方で、ネットで好きな情報ばかり集めるのはジャンクフードみたいなものだ。米国にcomfort foodいう言葉があって「心地よい食べ物」なんだけど、これはホットドックやハンバーガなどを指す。日本だったら、それに加えてラーメンや牛丼だろうか。

>> 「タニタ食堂」としての池上彰。の続きを読む



いま、新聞が面白い。と書くと「本当か」と言われそうだが、部分的にすごく気になるコーナーがある。たとえば読売の「人生案内」だ。
以前はネットでも読めたと思うのだけど、最近は「プレミアム会員」ではないと読めないらしい。ただし、リードだけは読める。で、続きがすごく気になるのである。
こちらに並ぶ見出しが、何とも味わい深い。
「勝手に我が家に入る80代姉」これは70代後半の女性から。
「20年前、夫が初恋の人と旅行」これは80代の女性より。
「亡き妻の友人に会いを感じる」そしてこちらは80代の男性。
そうなのだ。全体的にかなり高齢化している上に、男女のもつれが相当に目立つのである。
中には「農村の婦人会、抜けたい」とか「妻からゴミ扱い、蒸発したい」など、それはそれで気になるものもあるが、何といっても色恋沙汰のパワーは一頭地を抜ける。
ビバ恋愛、フォルツァ・シニア。
だから、ちゃんと「男と女」というコーナーもある。

>> 読売「人生案内」というワンダーランド。の続きを読む



で、今日はいわゆる伝統的なマスメディアの課題について少し突っ込んでお話ししましょう。このクラスは人数も少ないので、背景などまでいろいろ考えようと思います。
で、ちょうど話題になっている週刊朝日と橋下市長とのバトルの件ですが、まあ想像以上にアッサリと朝日が白旗上げましたね。まあ、バトルとすらいえない。権力者に対して常に監視するというのはメディアの大切な役割ですが、今回の件は本質を外したということでしょう。
でさ、全然話違うんだけど、最近芸人のケガが相次いでない?スギちゃんが高飛び込みで骨折したけど、それ以外にいろいろ聞くでしょ?何でだと思う?
実は、さっきの週刊朝日の問題と芸人のケガ。これって、全く違う話のようで、実は底流では構造的に関連している。じゃあ、何か?ぶっちゃけて言うと、カネの問題だと考えられる。
もう少し丁寧にいえば「マスメディア経営の行き詰り」を象徴していると言ってもいいでしょう。

芸人のケガもいろいろ理由はあるかもしれないが、共通項は単純。企画力の低い番組を低予算で作るからです。前回みたようにテレビ局の制作費は2008年から、各局とも減少してたよね?広告収入の減少が制作費を直撃している。カネがなければ、報酬も低い。人材も集まらない。だから「プールから高飛び込み」って、学生の企画にしても質が低いだろ。そしてセットなども手を抜くから安全性も甘い。
まあ「VS嵐」とかは金かけてると思いますよ。嵐にケガさせたら、国民的問題ですから。ただし改編期の特別番組とか、素人が見ても適当です。結局は、仕事を断れない「ひな壇芸人」を酷使する。10月前に芸人がケガしたのは偶然じゃないと思うね。
で、週刊朝日。

>> スギちゃんのケガと週刊朝日を結ぶメディアの事情。の続きを読む



お盆なので、まあどうでもいいようなネタなんだけど。
ちょうど一週間前ほどって、オリンピックが大詰めの中ドサクサ紛れのようにして、税法改正とか、解散確約とかドロドロのガタガタがあったわけで。で、「近い将来」を「近いうち」に変えたら、とりあえずが丸く収まるという、ものすごいマジックがあった。
「日本語って…」のように思った人も多いだろうけど、じゃあ英語はどうすんだよ、というのはずっと気になっていた。
で、ネット上で色々と記事を探してみたんだけど。
まず「近い将来」はどのメディアも”in the near future”でいいんじゃないか、と。まあそもそも「近い将来」自体が何だか翻訳っぽいし。
では、問題の「近いうち」なんだけど、結構目についたのが、”sometime soon”という、まあ何というか「いつか間もなく」という、曖昧さ全開で、英語版の読売、毎日、そしてワントンポストもそうだった。
ジャパンタイムズやUPIに至っては、単に”soon”だけ。まあ、それもありかも。英語版の朝日は、ちょっと目先を変えて”before long”といいうわけで、まあ「遠からずうちに」という感じかな。
で、律儀なのはウォールストリートジャーナル。”in the near future”に対して、”in the near term”と。なるほど「近い」をそのまま、残しているわけで。
というわけで、国際的には決して通用しない、というか理解もされにくい約束なんだろう、と。で、訳した人の苦労はよく分かるんだけど、それほど英語の勉強になった気もしないのが、また何とも味わい深いのだった。



(2012年3月12日)

カテゴリ:世の中いろいろ
タグ: ,
193-pizza.png

言葉づかいの中でも敬語というのは日本語固有の問題なんだろうけど、最近気になっていて、多くの人が指摘しているのにあまり変化がないのが「過剰敬語」だ。僕の記憶では、このことを「かえって失礼」とハッキリ指摘していたのは、詩人の大岡信だった。もう20年くらい前ではないだろうか。「こだわり」というのも、広告コピーのせいで「いい意味」になってしまった、という話を書いていたりもした。
「それではご説明させていただきたいと思います」
これは「説明申し上げます」くらいで十分だと思う。過剰敬語だと大事なプレゼンテーションで、何か勢いがそがれるように感じるのだ。
最近、面白いなと思うのがフェイスブック内の言葉づかいで「シェアさせていただきます」というフレーズ。直接知らない人からの、情報だとこういう言葉になるんだろう。ある意味、人と人との距離感が素直に出ている気もする。
「シェア!」
「シェアします」
「シェアさせてください」
「シェアさせていただきます」
「シェアさせていただきたいと思います」
「シェアさせていただきたいと存じますがよろしかったでしょうか」
などというように、フェイスブック内でも距離感は微妙に使い分けられていくのだろうか。
そういえば中華料理の店などで大皿で料理が出てくると、店員が「こちらでおとりわけいたしましょうか」とか言うことがある。
「それではシェアさせていただきます」
もし、そんな言い方をしたら、その人はきっとフェイスブックユーザーに違いない。