会社を辞めて、一人で始めて、10年経って。
(2014年9月1日)

カテゴリ:キャリアのことも

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会社を辞めて1人で仕事をするようになったのは、2004年の9月1日だった。

つまり、今日で丸10年になる。10年に何の意味があるのか、まあ十進法でキリがいいと言えばそれまでだが、人の意識が十進法に縛られているところもあり、来し方行く末を考えるにはいいのかもしれない。

10年前、家の猫はまだ1歳になったばかりだった。そして、こうやって見ると少々太って熟女の趣が滲むが、むしろ変わってないことに驚く。

年年歳歳猫相似 歳歳年年人不同。

いや、そんなことはない。猫も人も10年歳をとった。それを勘定するかどうかが、違うだけなのだろう。

そういえば退社の日は、妻とホテルに泊まり銀座で食事をした。翌朝は好天で、日比谷公園を歩いた時の気持ちよさはよく覚えている。まだ、仕事もロクに決まってなかったが、あの浮遊感は忘れられない。

会社を辞めて後悔したことはないけれど、1つ残念なのは、もう「会社を辞める」というあの気持ちよさを味わえないことだ。

そして、ふと気づくと自分の前には相当の自由が広がっていることに気づいた。仕事を何歳までするか、どう生きるか。これだけの時間をどうしようか?とワクワクした感じをよく覚えている。

ところが10年経つと、全く異なる。50歳になると「もう全然時間がない」という感覚が先に立つのだ。

これには、正直驚いた。

「10年後はまだ50」と、「10年後はもう60」この違いは大きい。

「これからの時間」か、「残された時間」か。自分の時間は、あらゆる人にとって「残されたもの」として、与えられる。それを、強く意識することは本当にいいことなのか?など、答えのない問いに思いを巡らせたりするのだった。

ただ、この10年間を振り返った時、「10年前にしたかったこと」は仕事も遊びも、大体やったと思う。そもそも、大それた目標立ててたわけじゃないから、といえばそれまでだけど、無事過ごせたことには感謝している。

10年経って、何か目標を立てたり宣言するわけではないけれど、「逃げ切り」発想にならないようには、しようと思う。何か新しいことを勉強しながら、少しはブログもちゃんと書いてみようか。本や音楽のことも書いてみようか。できるだけ、毎日更新しようか(あ、言ってしまった)。
そういうわけで、雨の音を聞きながらの満十年。お世話になった方々、ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします。