もやしで景気はわかるのか?
(2014年9月17日)

カテゴリ:マーケティング

もやし月次野菜が高い。自分で買い物に行くと、実感する。スーパーには「天気が悪くて出来も悪ければ値段も高いがあきらめろ」(意訳)というようなことが、わざわざ書かれている。

まあ、野菜の高騰は天気次第で起こる話ではあるが、一方で「インフレにするんだ」という話を聞くと、「どうして?」と思う人もいるんだろうな。

朝のテレビで「もやし特集」をやっていた。景気が悪くなると、主婦向け雑誌はもやしとひき肉、そして竹輪などが活躍する。いまだったら、その辺の動向を一番つかんでいるのは、クックパッドなんだろう。

いずれにせよ、もやしというのは低価格で安定しているので、こういう時には注目される。だから、もやしの売れ行きを見ると景気が読めるという説もある。日本では毎月の家計調査で品目ごとの支出がわかるから、そうした分析ができるのだ。

2011年からのもやしの消費量がこのグラフ。2人以上世帯の数字だ。春先に上がり、夏には下がるという傾向がある。2012年の3月は妙に高いが、他の食材が高騰していたのかもしれない。

いずれにせよ、ここ2年は落ち着いている。7月は去年と同じ。ただし、今の状況から行くと、9月には跳ね上がるかもしれない。過去にはそういう例もあったのだ。

もっとも、野菜価格の変動は結構激しいので、もやしだけを見ても意味がないという意見もあるだろう。ただ、長期で見ると、結構驚く。

これは1998年、つまりバブルの真っただ中から昨年までのもやしの年間消費量の推移だ。

リーマンショックのあった金融危機以降の2009年から急伸している。少し落ち着いたとはいえ、まだ高い水準だ。

こうなると、金融危機の頃から日本の家庭食の構造が変わったようにももやし年次思う。景気だけではなく、高齢化なども影響しているかもしれないし、節約が定常化しているのかもしれない。

もやしといっても、なかなか奥が深いのだ。