(2010年12月7日)

カテゴリ:マーケティング
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今年は結構ノンビリした年になった。
自宅にいる時間が長くて、単行本を4冊書いて3冊出す。いや、まだ一冊しか出していないと言われるかもしれないが、今日2冊目が出て、17日に3冊目が出るのである。いずれにせよ、自宅に一日いることも多かった。
さらに妻が週に3日ほど外で働くようになったので、いきおい自宅で一人で昼食となる。外に行ってもいろいろ店はあるのだけれど、家で食べるのも悪くない。今日も、妻が持って行った弁当のおかずと、野菜の煮物と蕪の葉と油揚げを炒めた常備菜。米は発芽玄米半分で雑穀を入れたもの。
それを一人で食べるとなると、テレビを見る。日本テレビの「DON!」か、フジテレビの「笑っていいとも!」あたりを見ているわけで、いきおいこの時間帯のCMもよく見た。ひところはモバゲーやグリー、それに通販の健康食品がが多かったけれど、最近は大手のトイレタリーや化粧品が復活している。スポットを中心にTVCMの市況は回復しているのだろう。円高で石油価格なども落ち着いているので、一般消費財からの出稿が戻ってきているようだ。
見方を変えれば携帯ゲームなどの企業は、高値ではそうそうCMを打たないということだろう。かなり合理的なバイイングをしているのだと思う。
という、ややこしい話はおいておき、そうテレビ番組だ。散々くだらないとか見る価値がないとか言われているようで、というか自分でも思ってたけれど、やはりついつい見るとそれなりに見られるものだ。「笑っていいとも」とかマンネリの象徴のように言われるけれど、結構それでも「見られる」ものだ。
曜日によるけれど、とりあえず1時間ほど飽きないで見られる番組を作り続けているのは大変なことだと思う。
昼だけではなく、最近は(原因不明だが)夜の外食も面倒で家で食べたりすることが多い。どうなるかというと、テレビをつける。プライムタイムのコンテンツは確かに面白いものは少ないけれど木曜は「VS嵐」から「空から日本を見てみよう」という流れができてしまった。

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師走だ。
当然のように「毎年恒例」のなんだかんだが発表される。そして、とりあえずの「新語・流行語大賞」とか見ると、「これはもう止めた方がいいんじゃないか」という感じだ。だれが選んでいるのか、少なくても審査委員長が80歳近くで、しかも「読者審査員」というのも「現代用語の基礎知識」の読者というのだから、あまり文句をいうのも可哀そうかもしれない。
でも、最近の「新語・流行語大賞」のダメな感じというのは、審査の問題というより構造的な気もする。
そもそも、一覧を見ればわかるけれど本当に「流行語」と言えるものはほとんどない。
流行語というのは、フツーの人が喜んで使ってみる言葉のことだ。そういう意味では「なう」や「ととのいました」くらいは、まああるだろう。
あとは”ヒット商品”や”マスコミの多用語”が流行語に認定されているだけだ
「AKB48」や「食べるラー油」というのは単なる”ヒット商品”でしょ。「脱小沢」とか「無縁社会」なんて、メディアの中でしか使わない。
ちなみに、僕が考える「流行語」の条件というのは「ガキが喜ぶ」か「オヤジギャグ」になる、ということである。

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(2010年10月29日)

カテゴリ:マーケティング

ランチタイムにエレベーターと来て「正しい会社の見分け方・その3」はありがちかもしれないけど、「トイレ」だ。これも、また情報量の多い場所ではある。
これについては、とある本にも書いたのだけれどかつて凄い取材力を駆使して就活をしていた新入社員がいた。彼は「トイレの掃除のオバサン」に「この会社の社員はどうですか?」と様子を聞いたらしい。立派な会社でも、品格の高低は必ずあるけれど、それはトイレのマナーや清掃員への態度に出るだろうという仮説を持っていたわけだ。
いや、この仮説はかなり正しいだろう。
彼によると、「立派だけど、強引でアレコレの噂のある企業」というのは、やはりトイレのマナーもそれなりによろしくないらしい。あえて実名は書かないけれど、非常にわかりやすい社名が挙がっていた。
まあ、学生が清掃員に取材するチャンスはなかなかないだろうけれど、ぜひ会社に行ったらトイレに入って生態を観察するとおもしろい。
洗面所や便器の使い方が乱雑な会社というのは、言うまでもなくNGだろう。あと、男子トイレというのは、用を足しながらの会話なども聞けて、結構こういうので雰囲気がわかることもある。さすがに、大切な話はしないと思うけど。
そうそう。男子トイレだと個室と外でそれぞれ人がいるので、おもしろい経験もできる。
僕がもう会社を辞める直前の頃のことだけれども、用を足していると個室で携帯電話が鳴った。どうするのか、と思ったら出たんだな。個室の中で。
「ハイ、お世話になっております。はっ?見積もりの件?ハイハイ……」
どうやら、クライアントに出した見積もりの件で、先方から電話がかかってきたようなのだ。でもって、いきなりトイレの個室で見積もり交渉が始まったのだ。
聞いていたい気もしたが、なんとも忍びなくてトットとトイレを出たけれど、あの交渉はきっと押し切られたと思う。
だってそうでしょ。
「ウンコしながら見積もりの交渉をする」
それでコトが有利になるなら、みんな見積もり交渉はトイレでするってば。しかし、先方はまさか「相手がパンツ下ろして電話してる」とは思わないだろうな。
いまにして思うと、広告業界はあの頃から曲がり角を迎えていたのかもしれない。



というわけで、その2は「エレベーター」だ。ただ、今はエレベーターホールまでにゲートを設けているところが多く、学生が乗る機会は少ないかもしれない。面接とか始まればあるのかもしれないが。
で、エレベーターの何がポイントかというと「閉」のボタンだね、やはり。
これを、やたらとガチャガチャ押すような社員が多い会社は「要注意」ではないかと。別に「閉」ボタンを押すことはいい。そこまで細かくいうこともないし。問題は「押し方」。何度も押して、途中で開いたりすると舌打ちするような社員を時折見る。
そこまで時間に追われて苛立っているというような職場は、何か問題を抱えているんじゃないか?と思うのだ。
この話を知り合いの人事の人に話した。彼はその後いろいろな会社に行く機会が多かったそうだけれど、この観察は「テキメンに当たる」という。「閉ボタン・ガチャガチャ」の多い会社は、やはり「それなりの問題」があるということだろう。
ちなみに、僕は自己管理の一つの目安として、次の3つのことを気にしている。
「エレベーターの閉ボタンを押さない」「信号が点滅したらわたらない」「高齢者には席を譲る」
で、ついついこれができない状態になっている時は、何かの問題が自分にあるということだと思っている。時間に追われたり、ついつい焦るというのは、だいたい自分のせいだからだ。
さすがに、電車で席を譲らないほど疲れたことはないけれど「閉ボタン」「点滅横断」は、たまにやってしまう。だいたい、前日に遊びすぎて、いろんなことが後手後手になった結果であることが多い。仕事が多くて時間に追われたことはあまりないんだけど。
いずれにせよ、エレベータというのは小さな密室で決して快適な場所ではない。ちょっとした譲り合いとか、その際の挨拶とかでその会社のことが結構見えてくる場所だと思う。



(2010年10月12日)

カテゴリ:マーケティング
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秋になっても「晴れれば夏日」の一方で「降れば”11月上旬並み”」という天気が続いている。相変わらず、猛暑の余韻を感じる秋になってしまった。
今年の夏は、久しぶりの猛暑だったが、消費においても変調が起きた。7月は猛暑効果といわれていたけれど、8月の流通関連の数字はどれもよくない。コンビニエンスストアは1%増ではあるけれど、客単価は落ちている。スーパーは前年比マイナス。また8月のビール類の売上も微減だった。
秋物の衣類が不調とか言われているけれど、それだけではないと思う。夏や冬の「気温効果」が消費に反映されにくくなっている。これは、高齢化の影響が来ていると思う。
そもそも、気温が上下にぶれることで行動が活発なるのは若い人だ。子どもは、雪が降れば喜ぶけれど、大人はうんざりする。若い人がスキーに行ってた頃は雪もプラスに働いたけれど、それも減ってくれば単なる厄介者としての側面が強くなる。
夏も同じ。昼からプールや海に行ける人は嬉しいけれど、大人はそうはいかない。それどころか「暑いと人が死ぬ」ことが、これほど明らかになるとは思わなかった。
この夏、大病院に関わりのあった人はわかると思うが、8月はどこも満床だった。熱中症で運ばれたまま入院する人はもちろん、高齢者の体調不良は相当に多かった。さらに、火葬場はどこも数日待ちという状況だったという。
そこまで体調を悪化させないまでも、日中に人がいなかった。こういうのは、平日の昼に住宅地で過ごしていればすぐにわかる。一方、夜の20時過ぎにはスーパーが混んでいた。ビール類は伸びない一方で、家計調査の「梅干し」が大きく伸びた。暑いことで「ビールを飲むか」よりも、「夏バテ予防」のニーズの方が高くなるのは明らかに高齢化の影響だろう。
この傾向は、今後どんどん強まるのだろう。暑くなれば、プールや海に人が群がるニュースは毎年流れているが、そういうシーンに参加している人の絶対数は減っている。今夏は、海水浴場も決して客足は伸びていないところが多い。
「夏は暑いほど、冬は寒いほどいい」という言葉を残したのは、ダイエー創業者の中内功と言われる。彼は「売上はすべてを癒す」ともいった。戦後の常識は、また変わっていく。